「独学ドキュメント」
【海洋ゴミ(海ごみ)問題を学ぶ】
・海洋ゴミとは、海岸に打ち上げられた「漂着ごみ」
海面や海中を漂う「漂流ゴミ」、
そして海底に積もった「海底ごみ」、の総称を指す。
その内訳として最も多いのが、
釣り糸や食品の容器、包装袋など、プラスチック製のもの。
一度使えばすぐに捨ててしまう、いわゆる「使い捨てプラスチック」
のゴミが抜きん出て多いのだ。
〈年間800万トンの海洋ゴミが発生〉
2050年の海はプラスチックごみで溢れかえる!
環境省の調べによると、世界では毎年少なくとも
800万トンものプラスチックごみが
海に流出しているという。これは、
東京スカイツリーおよそ222基分に相当する重量だ。
そのうち、毎年2〜6万トンのプラスチックごみが、
日本から流出していると推計されている。(2010年時点)
この海に流出している大量のプラスチックごみは、
当然、海に暮らす生き物に悪影響を及ぼしている。
たとえばインドネシアの海岸では先日、
6キロ近いプラスチックごみを体内に
溜め込んだマッコウクジラが打ち上げられた。
プラスチックのコップ115個、ペットボトル4個、
レジ袋25枚、ビーチサンダル2足とその体内から
おびただしい量のゴミが発見されたそうだ。
また海で死んでしまったウミガメ102頭の
内臓を調査したところ、全ての個体から、
マイクロプラスチックをはじめとする
合成粒子が800以上見つかった。いずれもゴミが
直接的な死因につながったのかは判明していないが、
海の住民たちが被害を受けていることは間違いない。
現在世界の海に漂う海洋ゴミの量は、
総計約1億5000万トンに達しているといわれる。
そして今この瞬間もどんどん増え続けている。
つまり何もしなければ、海洋ゴミは
増加の一途を辿るのだ。
このペースで進めば、2050年には
魚よりプラスチックごみの量が多い海になる
ことが予測されている。
海洋ゴミの8割は街から来ている。
そもそも海洋ゴミはどのようにして発生するのか?
釣り糸や漁具は別として、
一見海洋ゴミとは関係ないように感じられる
街のゴミも、実は海へ流れ出ている。
投げ捨てなどにより街に捨てられたゴミは、
雨とともに排水溝へと流れ、やがて、
川をつたい海へと流れ出るのだ。
そのようにして街から流れ出たものが、
海洋ゴミの8割を占めると言われている。
この現状を受けて、世界は、
使い捨てプラスチックの使用廃止に向けて
動いている。例えばフランスでは、
使い捨てプラスチック製の皿やコップの
使用を禁止する法律を世界で初めて制定した。
またアメリカのコーヒーチェーン大手スターバックスが、
世界に2万8,000ヶ所ある全店舗で利用されている
推計10億本のプラスチック製ストローの使用を、
全廃すると発表したことも記憶に新しい。
・外で出たゴミは家に持ち帰る
または決められた場所で処分する。
・毎日の暮らしの中で出来るだけゴミを出さない。
・例えば、買い物時には使い捨て商品ではなく、
再利用できるものを選ぶ。
なるべく包装されていない商品を選ぶ。
マイバックやマイ箸を持ち歩くなど心掛けたい。
海洋ゴミの清掃活動に取り組む様々な人々。
〈日本財団ジャーナル参照引用〉