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古今東西、多くの詩人たちの作品、
〈潮騒の詩集〉
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「小さな娘が思ったこと」
〈小さな娘が思ったこと〉
小さな娘が思ったこと
ひとの奥さんの肩はなぜあんなに匂うのだろう
木犀みたいに
くちなしみたいに
ひとの奥さんの肩にかかる
あの淡い霞のようなものは
なんだろう?
小さな娘は自分もそれを欲しいと思った
どんなきれいな娘にもない
とても素敵な或るなにか・・・・・
小さな娘がおとなになって
妻になって母になって
ある日不意に気づいてしまう
ひとの奥さんの肩にふりつもる
あのやさしいものは
日々
ひとを愛してゆくための
ただの疲労であったと
ーー「見えない配達夫・1958年刊」よりーー
「愛の詩を読む」
〈高田昭子のお家より引用〉
「詩人・茨木のり子さんの訃報は、
昨日(2006年2月20日付け)の
朝日新聞紙上で初めて知りました。
朝日新聞社がその訃報がわかったのは19日、
79歳であったとのこと。
詩人の訃報は大方すぐには公表されない。
この作品は茨木のり子の作品全体を
見渡した時には、おおかた代表作とは
ならないものだが、
わたし個人にとっては、出会った時から
忘れられない作品である。
「木犀」の「もく」は「沈黙」の「もく」、
「くちなし」の「なし」もまた「口なし」
へ繋がると思うのは
わたしだけだろうか?
凛とした社会批判精神、あるいは、
詩人たちへの励ましは、
跡を歩く者として幾度も
道しるべとなってくださった詩人である。
わたくしたちはこうしてまた
魅力的な先達詩人をうしなったのだ。
作品は生き続けるであろうと思いますが。。
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