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古今東西、多くの詩人たちの作品、
〈潮騒の詩集〉
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【娘たち】
【娘たち】
イヤリングを見るたびに おもいます
縄文時代の女たちとおんなじね
ネックレスをつらねるたびに おもいます
卑弥呼のころと変わりはしない
指輪はおろか腕輪も足輪もありました
今はブレスレット アンクレットなんて
気取ってはいるけれど
頬紅を刷(は)くたびに おもいます
埴輪も女も丹(に)を
塗りたくったわ
ミニを見るたびに 思います
早乙女のすこやかな野良着スタイル
ロングひるがえるたびに おもいます
青丹(あおに)よし
奈良のみやこのファッションを
くりかえしくりかえす よそおい
波のように行ったり 来たりして
波が貝殻を残してゆくように
女たちはかたみを残し
生きたしるしを置いてゆく
勾玉(まがたま)や真珠
櫛やかんざし
半襟や刺子(さしこ)
家々のたんすの奥に
博物館の片隅に
ひっそりと息づいて
そしてまた あらたな旅立ち
遠いいのちをひきついで
さらに華やぐ娘たち
母や祖母の名残の品を
身のどこかに
ひとつだけ飾ったりして
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