💐〈7年目の祥月命日に寄せて〉
2014年8月11日、早朝、
枕元の、私の携帯電話の着信音が鳴った。
画面に映った発信先は、
妻が入院している緩和ケア病院だった。
一瞬で目覚めた私が電話に出ると、
努めて冷静な様子の落ち着いたなかにも、
少し切迫した声のトーンで、
慈愛に満ちた看護師さんからのその言葉は、
「奥様のご様子が、、、。」
「わかりました。今からすぐに参ります。」
月日の経つのはあっという間で、
早いものですね。つい先ほどの出来事のようです。
あの日からもう、7年という月日が経ちました。
長いようであっという間だったこの間に、
あなたが命を賭けて生み育てた◯◯も、
石ころだらけの道でしたが、
しっかりとその歩みを進めることが出来、
今ではその自分の道を、
確かな足取りで歩んでいっています。
私も少し肩の荷が下りた気がしています。
きっとこれも、あなたがはるか空の上から、
そしてあるときは、すぐ傍に下りてきて、
決して私たちには見えない導きの賜物だと、
わたしは密かに確信しています。
あなたのその貴い魂そのままに、
まるで生写しのように育ってくれた息子、
あなたが手塩に掛けて育てた息子、
優しいあなたから、優しい息子への
「手から手へ」しっかりとそのバトンは
受け継がれていますよ。
わたしも、あなたから受け継いだあなたの遺志を、
何だかやり遂げたような気持ちがしています。
思い残すことは残り少なくなりつつありますが、
まだ幾つかのやり遂げなければならない事、
諦めるわけにはまいりませんので、
今しばらくこちらで、誠心誠意、
頑張ってみようと思っています。
これからも私たちふたりの生き様を、
遥か遠く空の上から、またあるときは傍で、
しっかりと導き守っていて下さい。
最愛の亡き妻へ
7年目の祥月命日に寄せて
不肖の夫より、、、。