ブルーに恋して
優しく、強く、晴れ晴れと、
⭐️潮騒詩集

【茨木のり子】「水の星」宇宙の漆黒の闇のなかを ひっそりまわる水の星

古今東西、多くの詩人たちの作品、
     〈潮騒の詩集〉

【水の星】

宇宙の漆黒の闇のなかを

ひっそりまわる水の星

まわりには仲間もなく親戚もなく

まるで孤独な星なんだ

生まれてこのかた

なにに一番驚いたかと言えば

水一滴もこぼさずに廻る地球を

外からパチリと写した一枚の写真

こういうところに棲んでいましたか

それを見なかった昔のひとは

線引きできるほどの意識の差が出る筈なのに

みんなわりあいぼんやりしている

太陽からの距離がほどほどで

それで水がたっぷりと渦まくのであるらしい

中は火の玉だっていうのに

ありえない不思議 蒼い星

すさまじい洪水の記憶が残り

ノアの箱舟の伝説が生まれたのだろうけれど

善良な者たちだけが選ばれて積まれた船であったのに

子々孫々のていたらくを見れば この言い伝えもいたって怪しい

軌道を逸れることなく いまだ死の星にもならず

いのちの豊穣を抱えながら

どこかさびしげな 水の星

極小の一分子でもある人間がゆえなくさびしいのもあたりまえで

あたりまえすぎることは言わないほうがいいのでしょう

茨木のり子詩集「倚りかからず」より

〈茨木のり子他作品〉

ABOUT ME
大塚文彰
・1958年生まれ //・ブルー愛好家//・趣味〜サーフィン(若い頃) 80年卒業後、薬品会社勤務の後83年脱サラ会社起業~現在に至る。傍ら縁あって出会った天風哲学を独学実践中!還暦を機に法人解散しフリーランス活動中。 60代一人暮らしを笑顔で暮らす。
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