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古今東西、多くの詩人たちの作品、
〈潮騒の詩集〉
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「波の音」
酒注ぐ音は とくとくとく だが
カリタ カリタ と聴こえる国もあって
波の音は どぶん ざ ざ ざアなのに
チャルサー チャルサー と聴こえることもある
澄酒を カリタ カリタ と傾けて
波音のチャルサー チャルサー 捲き返す宿で
一人 酔えば
なにもかもが洗い出されてくるような夜です
子供の頃と少しも違わぬ気性が居て
哀しみだけが ずっと深くなって
詩人 茨木のり子は
夫を亡くした後に
韓国語を始めたという、
茨木のり子は
「海」を心象風景として
抱いていたようで、
この詩でも 波音が聴こえるが、
心の内面に降りていくような
静溢さがにじむ。
孤独でありながらも、
自分自身を支える
時空間のようなものが
あるように思われる。
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