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古今東西、多くの詩人たちの作品、
〈潮騒の詩集〉
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蒼ざめた馬
「冬の曇天の天気の下で
そんなに憂鬱な自然の中で
だまって道ばたの草を食ってる
みじめな しょんぼりした 宿命の 因果の 蒼ざめた馬の影です
わたしは影の方へうごいて行き
馬の影はわたしを眺めているようす
私の「意志」を信じたいのだ。馬よ!
因果の 宿命の 定法の みじめなる
絶望の凍りついた風景の乾板から
蒼ざめた影を逃走しろ」
この詩の前半では、自分自身の宿命に、
諦めのような諦念感が滲み出ていますが、
後半部分になって、朔太郎自身、
決してその宿命に降参はしていない強い意志が
綴られており、”宿命からの逃走”こそが、
彼の意志であり、そしてまた、”詩人になる道”も、
また一つ、彼にとっての宿命であったのかもしれない。
〈萩原朔太郎について〉
1913年に初めて雑誌に詩を発表して以降、
新たな詩の可能性を切り拓き、
「日本近代詩の父」と称される。
病的なまでの絶望や孤独、憂鬱、のイメージを纏う、
独特な世界観を持つ詩は、当時から数々の称賛を
受けてきました。しかし、詩の世界では大成功を
収めた一方で、彼の私生活は、幼少期のトラウマに始まり、
学業の挫折、父からの勘当など、常に不幸と絶望の連続でした。
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