起業後間もなく中村天風哲人の著書に出会い感銘を受けましたが、当時はそれだけの事で、会社を軌道に乗せる事に精一杯で、以来20数年その教えに触れる事はありませんでした。がしかし、私が50才の時に突然左半身に違和感を覚え、病院に行くと、軽度の脳梗塞と診断され即入院、実はその数年前から妻が難病を患い車椅子での生活となり、その介護もあり仕事への時間が制限され、いつしか会社も逆境になり始めかなりストレス過多の状況でした。その頃、たまたま友人の所に顔を出した折、その友人が(中村天風って知ってる?)と言いました。私が(知ってるよ!怒らず、恐れず、悲しまず!でしょ!)と応えます。その時友人は天風哲人の本を読んでいたらしく、その場はそれで終わり、帰って私はかって読んで感銘を受けていた天風哲人の本を探しますが、引越し等で蔵書のほとんどを処分していたので中々見つかりません。半ば諦めかけていた数日後、朝、目を覚ましてふっと横に目をやると、横の棚の最下段と床の間に天風哲人の本が二冊あるのを発見しました。思い起こすと蔵書のほとんどを処分した時、この本だけはとその場所に置いたのを思い出しました。それからは毎日その著書を読んで読んで読み込んで、その教えである心身統一法を日々実践し、いつしか生きる喜びに満ちた自分を実感しました。しかし人生は事なき日ばかりが続く訳ではありません。次々に波や風は訪れます。よって生涯その教えを実践しながら生きる事を固く信念する中、もっと天風哲学を研究したい、そして次世代(息子や末代)に伝えたいという想いが湧き上がる日々の中、ある時ふっと(波乗り天風)という言葉が突然浮かびました。実は私は会社も軌道に乗り、少し余裕が出来た30代からの数年間サーフィンに夢中になった時期があり、心身統一法の教えのひとつにある天風式瞑想法で得られる無念無想の感覚と、サーフィンでの波待ちから波に合わせてテイクオフしボトムに降りてターンしてライデイングする時に得られる感覚が似てるなあと常々思っていて、そんな中で閃いた「波乗り天風」というフレーズでした。