中村天風（著）神人冥合トラック⑦⑧天風曰く
さてでは、
いかにすることが
宇宙真理を
正確に応用することに
なるかというのに、
適者生存ということを、
はっきり、
考え直しなさい。
結論的に言うと、
人間が人間らしい
活き方をしなさい。
人間らしく
活きるとすれば、
病気も不運も
来ないんです。
だから病が出たり、
不運が来たら、
あっ、これが
人間らしく
活きてない
第一警報だなと。
またぞろ、
人間のレールを
踏み外したなと。
人間が人間らしく
活きるのには、
何を置いても、
心身一如で
活きなきゃ
いけない。
「心身一如」
心身一如を
現実化
するのには、
「心身統一法」を
実行しなきゃ
ならないけども、
取りあえずまず第一の
必要なことは、
それは「神人冥合」まで、
自分の人生を
もっていこう
とするのには、
現在あなた方が、
毎日使っている、
あの心の使い方が、
随分とこの神人冥合を
妨げるような使い方で
ある場合が多い。
今まであなた方が
毎日使っている
心の使い方に、
ある切り替えを
行なわなきゃ
いけないんだよ。
それは何かというと、
心を断然積極的に
しなきゃいけないの。
「積極的」
積極というのは、
どんな場合にも尊く、
正しく、清く、強く、
ということですよ。
どうです、
この四つが
守られていますか。
ともすればわれながら
なんという浅ましいことを、
考えるんだという、
尊さの反対を考えたり、
正しく清く
あらねばならない
自分の心が、
いつか利己的になり、
排他的になり、
正しい上に
不がついたり、ねえ、
不正という状態に
なっちゃったり、
強さをもって
いかなきゃならない
心にもっていって
弱さを感じせしめたり、
いかがですか、
あなた方の心は、概ね、
何事もない時は
ともかくも、
何事かがあると、
すぐ消極的に
なりゃしない？
気の小さい神経過敏な、
古くさい迷信的な
状態の人が多くない？
難しいですよね。
いかなる場合があっても、
尊く、強く、正しく、清くもて。
「これは先生ね、
教えとしちゃ結構かも
しれませんけども、
このマスコミの時代に、
そうそう、聖人や哲人
じゃないのに、
尊く強く正しく清くなんて、
これは文句としちゃ、馬鹿に
いいお題目だけども、
実行できるこっちゃ
ありません。」
という人があるでしょう。
実行できるこっちゃ
ありません。と言って、
実行する方法を
知らなかったら、
いつまでたったって、
実行できやしない。
タイプライター
であろうと、
自動車の運転であろうと、
覚えちまえば
何でもありゃしない。
サルの真似して
木登りするよりやさしいよ。
けど覚えないてえと、
わからないんだから、
わからない。
わからないから、
いつまでたっても、
やさしいと
思やしない。
心を積極的に
もつんだって、
慣れっちまえば、
へいちゃらよ。
慣れるには
どうすりゃいい。
手っ取り早い
先決問題は、
よろしいか、
雑念妄念を
心の中に
もたせないように
心掛けるんだよ。
雑念妄念。
一口に言えば、
妄想念と
言いましょうか。
雑念妄念はね、
「神人冥合」を
直接に妨害する
一大障害物なんです。
雑念妄念さえなけりゃ、
特別なことを
しなくたって、
人間の心と、
宇宙霊とは、
結びつくように
できてる。
だから
悟りというものは、
何も考えない時に、
その心に生ずるぞ
と教えるのは、
このとおりなんで、
これを哲学的に言うと、
雑念妄念の出てない時は、
霊性意識が
発現するのであります。
ああ、ここで
難しくなってきた。
諸君は、霊性意識なんて
聞いたこともないだろう。
これが人間のね、
心にあるんだぜ。
あなた方も出したこと、
一遍や二度あるだろう。
いや、
断じてありません
と言うかもしれない。
あるよ。
霊性意識とは、
やさしい言葉で言うと、
本心良心のことだ。
人にすまないことをしたり、
道に背いたことを
言ったりすると、何となく
気が咎められる、
うしろめたさを感じる。
あれは、
本心良心があるからです。
今まであったでしょう。
一度や二度、三度。
「あんなこと言うんじゃ
なかった」とか、
「あんなことするんじゃ
なかった」とか、
なんとなく後味の
悪い気持ちに、心が、
打たれたこと
ありゃしません？
それを、霊性意識
というんですよ。
明日に続きます。
ではまた明日。
積極的心＝清く、尊く、強く、正しく
雑念妄念を取り去り、霊性意識を発現させる。
