〈悩むな、考えよ〉
数年前、息子が、ある国家資格の受験に失敗した時のこと、
もちろん私もショックでしたが、息子本人はもっとショックなわけで、
さて、これはどうしたものかという、
何ともいえない暗い気持ちで眠りについた翌朝のことでした、
何ものかにせきたてられるように目覚めた瞬間、
何故か「人間万事塞翁が馬」というフレーズが脳裏に浮かび、
すぐさま息子にLINEを送りました!早朝四時頃のことでした。(苦笑)
「人間万事塞翁が馬」
紀元前の中国の諺で「禍い(不幸)や福(幸福)は予測ができないものだ」
塞(砦)に住む老人の馬が逃げたところ(皆で嘆いたが)、
その馬が優れた別の馬を連れて帰ってきた(皆で喜んだ)。
今度は老人の子供がその馬から落馬して足を折った(皆で悲しんだ)が、
そのおかげで兵役を逃れて命が助かった。という逸話で、
「禍福は予測できないものだ」ということを伝える諺ですが、
いずれにせよ、人の生き方を戒める言葉であり、
「世の中に起きる悪いことも良いことも予期できず、だからこそ、安易に
それに振り回されてはならない」という格言だというのがもう少し深い意味となります。
またある外務大臣の言葉で、
「人生で経験することに無駄はない。(塞翁が馬)という言葉の通りです。」
その意味は、それぞれの仕事で学んだことは、
次の仕事の役に立っている。だから何を選択しても大丈夫だ。
ということだといいます。
「ありのままの自分を大切にする」という教えが
「塞翁が馬」に含まれていることを読み取れる良い事例とされています。
類語
「沈む瀬もあれば、浮かぶ瀬もあり」
「禍福は糾える縄の如し」
後日、息子に会った時に、
(意味が解からなかったから、google検索で調べた!)
と言って笑っていたので、ひとまず一安心しました。(苦笑)。
TRANS.bizより引用。
すべての受験生、そしてご家族の皆さん「ガンバレ!」
そしてこの諺は、黄昏ひとり老後のこの身にも、
多くの示唆を与えてくれる諺でもありますが、
最近また一つとても素敵な文章と出逢いましたので
ここで紹介したいと思います。
それは銀色夏生さんのエッセイ集「力を抜いて」
に収められていた一文です。
〈人をうらやましがるのは無意味〉
人をうらやましがってもしょうがない。
その人がそこに至るまでには
長い長い準備期間があるはず。
その人はそういう背景に支えられてそこにいる。
たとえば、花だけを見てきれいと思っても、
その花が咲くためには、
茎や葉や根っこが必要だ。
根っこからの長い道のりをよく見てから、
うらやましがるなら
うらやましがらなければいけない。
成果だけが独立して存在するわけではない。
そこまでの道のりが重要で、
そこまでの苦労もあったはず。
だれにだってここまでの
道のりがあるのだから、
簡単に他の人とは入れ替われない。
その人が生きてきた長い年月と
それに伴う苦労を考えると、
単純にうらやましがることの
無意味さがわかる。
浅はかさがわかる。
黄昏ひとり老後、
こころして生きていかねば、
長く生きた価値がないではないか、、。