昨日はひな祭りだったようで、
ようでと言うのも、
私にはまったく関わり合いのない行事で、
それこそ、生まれてこの方と言った方が、
姉ともずいぶん歳が離れているし、
自分の幼少時からの記憶を辿ってみても、
雛人形を飾りつけた我が家の景色は、
まったく脳裏の片隅にもよぎって来ないし、
私の家族も、わたしと妻と、息子という、
まったく娘っ気のない家族でしたから、
雛人形も縁がなければ、ひな祭りとも、
まったく縁の無い四半世紀でしたから、
昨日みたいに、
いきなり今日はひな祭りですよ!
なんて言われて、
今日はちらし寿司を食べましょう!
みたいに言われて、いつものスーパーも、
いきなり、ちらし寿司のオンパレード、
もう何と言うか、商魂たくましいと言うか、
ちょっと前はバレンタインで、
店中チョコレートのオンパレード、
何なら、まだ売れ残ったチョコレートが、
お店の一角に山積みされているというのに、
もう節操がないというか、
そう言えば、恵方巻シリーズもあったなあ。
もう、売らんかな、買わんかな、みたいで、
ある意味、都会の、この四季の行事を、
利用し尽くす商売人根性丸出しの風物詩は、
言ってみれば、風情も何もありゃしない。
やはりそう考えると、そんな商売人根性の
出る幕のない環境とでも言うのか、
そんなお店や何かのない、鄙びた田舎での、
先祖代々受け継がれてきた雛人形なんかを、
古式ゆかしく飾り付けたりなんかして、
親族一族郎党、みんなで祝いの膳なんかを、
お祝いの年中行事の一つとして、
厳かななかにも、ワイワイと、みたいな、
そんな日本の風物詩が懐かしいと言うか、
もちろん今でも、そんな趣きでこのひな祭りを、
迎えているところは、この日本のいたるところで、
迎えられてはいるのだろうけれども、
ついぞ、このわたくしには縁のない風物詩であった。
それ故か、このちらし寿司オンパレード見るにつけ、
我が息子の新婚夫婦には、
いずれ女の子を授かってくれたなら、
のちの代まで受け継がれるような、
そんな趣きいっぱいのひな祭りを、
催してくれたらいいな、なんて、、。
それに、女の子は父親に似るって言うし、
息子は亡くなった妻に容姿も精神性も、
瓜二つの出来栄えだから、
何だか、亡くなった妻が甦るようで、
それはそれは今から楽しみであるし、
もうある意味、わたしの余生は、
その孫娘の姿を見るためだけに、
あるのではないかと思えるくらいに、
秘かに楽しみにしているというか、
妻が夢に出る度に、そんなことを想う、
今日この頃です。そう言えば、
昨日の早朝も、妻が夢に出たんだった。
黄昏人の淡い夢物語でした。笑。