父が他界して、はやくも来年には13回忌を迎えようとしていました。その父が亡くなってから5年ほど後に、
田舎(実家)でひとり暮らしをしていた母の様子がおかしいと、
近所の方達から報せがあり、
難病を患い車椅子生活の妻の介護などがあり、普段あまり実家に顔を出す機会もめっきり減っていた私ですが、
同じく実家を離れて暮らす姉と二人で、
久しぶりに実家に帰り母の様子を伺ってみることにしました。
そこには、私たちがまだ幼かった頃の、
元気ではつらつとした母の姿はなく、
老いて、歩くことさえ心許なく、
会話にも被害妄想のような言葉が並べられて、
近所の方たちにも聞いてみると、
夜にひとり徘徊のようなこともあるとのことで、
これは間違いない、このままひとり暮らしをさせていると危ないと、
姉と二人、早速帰って、母を診てもらう病院探しをしました。
ほどなくして病院も決まり、
事前に先生と打ち合わせたところ、
まずは診察をしてからですが、
おそらくそのまま入院という形をとった方がいいでしょう!ということになり、
あまり間を置かないうちに、
また姉と二人、実家に帰って母を病院に連れて行くことになったのですが、
(実家を離れたくなく認知症の自覚もない)何かを察したように診察を嫌がる母をただの健康診断だからと宥めすかしながら、
ようやく病院での先生の診断までたどり着き、
そして待つこと一時間あまり、待合室で待つ私達に声がかかり、
やはりこのまま入院した方がいいでしょう!ということになり、
そこから病室へと、母と姉と三人向かったのですが、
いよいよ病室に入って改めて三人で会話をしながら、姉と二人、母をここに残す覚悟をしていると、
窓には格子の柵(こういう病室特有)もあり、その特殊感に、
次第に姉の覚悟が揺らぎ始め、また母も、実家に帰ると駄々をこね始めました。姉が、
ハンカチで目頭を押さえながら、
「やっぱり連れて帰ろう!私の家で一緒に暮らそう」といい始めました。
しかし、それが現実的でないことは、
姉も私もお互いに心の中では理解していますから、
私は心を鬼にして、
「今ここで、心を鬼にして、母を病院に委ねないと、みんなが地獄を見ることになるよ」と言って、
姉と二人、母を残し、後ろ髪を引かれる想いで病院を後にしました。
それから7年の間、
途中老人保健施設三施設のお世話になりながら、
母も寂しくない、楽しい日々を過ごすことが出来、
この春、母は穏やかに天寿を全ういたしました。
今でも(姉と二人、心、鬼になった日を忘れることはありません)
人生を考えるすべての皆さん、今日も黄昏ナルー(波乗り天風)にきていただいてありがとうございます。「苦をも楽しく」人生の波風を颯爽と乗りこなしていきましょう。by黄昏ブロガー
認知症概要 | 認知症とは、物忘れや認知機能の低下が起こり、日常生活に支障をきたしている状態。 |
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行動の変化 | 時間や場所の感覚が分からなくなる。考え事に時間がかかるようになる。一度に複数のことをこなせなくなる。 |
性格や感情の変化 | ・無気力。・うつ状態。・大声を出す。・怒りやすくなる。・暴力をふるう。・妄想を抱くようになる。 |
治療薬物療法 | 認知症の治療薬には、飲み薬や貼り薬があります。 |
薬物療法以外の介入 | 患者さんのQOL(生活の質)を少しでも保てるように、周囲が患者さんご本人の気持ちを理解しながらサポートしていく体制が大切。 |
ご家族の介護に悩むすべての皆様へ!
父も母も天国に召された今、
あの、姉と二人、心を鬼にした日のことを、
今も昨日のことのように思い出します。
そして今、そんなわたしが、齢60を過ぎ、
ひとりで暮らす生活の中、
あの頃の母の想いは如何ばかりだったかと、
馳せる想いは尽きません。
と同時に、この認知症という病は、
決して他人事ではないと言う現実も直視せざるを得ない
そんな現実の只中にいますが、
周りに居る家族に同じ想いをさせないためにも、
何とかその現実に抗い抵抗する日々を、
過ごしていきたいと思う今日この頃です。