小学校4年の時に膠様滴状角膜ジストロフィーを発病し中学生になって角膜移植手術を受けたが右目を失明、短大卒業の後、地元山口で働きながら調理師の免許を取得、これからというときに、左目も発症し失明。26歳になって盲学校に通いダイエットを兼ねて走り始める。
その後、中距離ランナーとして地元の大会に出るようになり好成績を残していたが、いつしかタイムに伸び悩みフルマラソンに転向。
2013年、日本盲人マラソン協会の強化指定選手となり、2014年の防府読売マラソンで2時間59分21秒でT12クラス(重度弱視)で世界新記録を樹立する。
2016年、リオデジャネイロパラリンピックでは3時間6分52秒で銀メダルを獲得する。
2017年、防府読売マラソンで、それまでの世界記録を2分9秒更新する2時間56分14秒で優勝。
2020年、別府大分毎日マラソンで、自身の持つ世界記録を破る2時間54分22秒で2年連続の優勝を果たした。
皇太子さまが今夏、お忍びでパラリンピック銀メダリストの伴走をされていた。来年5月1日の新天皇即位まであと半年。「国民の中に入っていく皇室」を目指す新しい天皇像の一端が見える。
6月26日夕刻。木々に囲まれた東京・赤坂御用地の中。
「走りやすいですか」。皇太子さまが隣のランナーに声をかけた。リオデジャネイロパラリンピックの視覚障害者女子マラソン銀メダリスト、道下美里さん(41)=三井住友海上=だ。
皇太子さまは「伴走」と書かれたビブス(ゼッケン)を身につけられ、蛍光の黄色の伴走用ロープを右手でにぎり、左手にロープをつかむ道下さんに声をかけながら約1・5キロの道を走った。
道下さんによると、皇太子さまは最初のでこぼこの道で「これは何とお伝えしたらいいのでしょうか」と戸惑いを見せられていたが、数分走ると息が合い始めた。カーブの手前で「右に曲がっていきます」、足場の悪い道の手前で「でこぼこがあります」。1キロ7分のペースが6分のペースに変わり、リズムがよくなった。
皇太子さまは、伴走者の声のかけ方や道下さんの走りの特徴を動画サイトで調べたという。伴走用のロープは自身で用意。走る直前には専用のゴーグルをかけて御用地内を歩かれ、視覚障害者の感覚も体験された。
ジョギング後は右腕を道下さんにつかませてアテンド。「飲み物は何にされますか」と気遣いもみせられた。
2人が出会ったのは昨年11月の園遊会だった。道下さんが「機会があれば一緒に走りたいです」と伝えたところ、皇太子さま側から返答があり、伴走が実現した。
伴走者を信じる事で
自分の心の整理と周りの環境が大きく変わった
50cmのヒモを互いに握り
伴走者が声を掛けながら道の状況などを
細かく説明しながら走るそうですが、
決して、伴走者が選手より前に走っては
いけないそうです。
そして、道下美里さんはその50cmのヒモを
絆と呼びヒモであらかじめ合図を決めて
走っているそうです。
家族は人生の伴走者