中村天風&池田晶子
怒らず、恐れず、悲しまず、〜悩むな考えよ。
波待ち物語

【波待ち物語】第九話「親心っていうやつは?」”波待ちダンディ”

(ゴッサンのその笑顔だけで、
息子とサーフィンに行ける
喜びの度合いが、
いかほどのものか、
手に取るように伝わってきて、
こっちのこころの中まで、
じわじわと温まった。)

(ジントニックを、
ひと口、なめながら、)

「親子でサーフィン、
メチャクチャいいっすね!」

「うん!息子から、
教えてよ!って、
言われた時は、
びっくりしたよ!
嬉しいのと、
こいつ、何か
あったのかなって、
ちょっと、心配にも
なったりしてね!」笑。

「わかりますよ!
それが親心っていう
やつですよ!」笑。

「そうそう!特にまた、
男親っていうやつと、
息子との関係っていうのがね!」笑。

「そうなんすよね!
うちも、かみさんが死んでから、
何か、男ふたりだと、
まったく会話が
弾まないっていうか、
ぎこちないんすよね!」苦笑。

「何か、わかるような
気もするなァ!」シミジミ。

「うちは一人っ子だし、
かみさん生きてる時は、
息子も学校から帰って、
ずっと、かみさんと
ふたりで、延々、
話をしてたり、
まァ、かみさんが、
今日、どうだった?
何があったって?
息子に話し掛けるんで、
もう、ずっとふたりで
話してましたね!
こっちは、その内容を、
後で、かみさんから
聞いて、あ~いま
そんな感じなんだなって、」笑。
「まァ、それで我が家は
うまくまわってたんすけどね!」

「わかるわかる!
なんか男同士って、あんまり
話さないよな!
あれって、照れみたいな
もんがあったりするのか
しんないんだけど!」

「照れなんすかねぇ?
まァ、男って、
歳とると、段々、
口数が減っていくもんだけど、
逆に、女って、
歳とると、段々、
口数が増えていくっていうのも
あるんじゃないんすかね!」笑。

「あ~!それはあるかもね!」笑。

「ここだけの話っすけどね!」笑。

「そう!ここだけにしとかないと!」笑。

「そのくせ、結構、子供のことが
心配になったりするのは、
男の方が、気にしたりして!
女親の方が、
意外と、どっしり構えてたり
しますからね!
母は強し!で、、。」笑。

「そうだな!母親と
子供の関係っていうのは、
男親には、永遠に
わからない
世界かもな!」

「今、うちは、かみさん死んでから、
息子が、一人暮らししたいって、
家を出たんすけど、たまに、
ちゃんと仕事行ってるか?
とか気になって、
息子のアパートの
駐車場の、
車のチェックとか
行ってみたりして、、。」苦笑。

「親心だな!男親特有の?」笑。

「そうっすね!でももう、
さすがに最近は、
そんなことも、
なくなりましたけど!」笑。

「さすがにね!」笑。
「ところで、奥さん、
亡くなって何年になるかなァ?」

「今年、七回忌になります!」

「そうかァ!早いなァ~!
よくサーフィン帰りに、
フーさんの家で、
ペペロンチーノ、
ごちそうになったなァ~!
これがまた、美味くてねぇ~!」

「そうだったっすね!
懐かしいっすね!
あっ!何か、ちょっと、
思い出したら、
ウルウルきそうっすよ!」

「あっ!ゴメンゴメン!
まァ、今日はゆっくり、
飲みますか!」笑。

「そうっすね!
ゆっくり
やりましょう!」笑。

つづく。

【親心ことわざ】

「親思う心にまさる親心」

”子が親を思う
気持ちよりも、
子を思いやる
親の気持ちの方が、
はるかに強く深い
ということ”

「這えば立て、立てば歩めの親心」

”子供の成長を
楽しみにする
親心をいう。”

「親の心子知らず」

”親が子を思う
気持ちは
通じにくく、
子は勝手な
振る舞いを
するものだ
ということ”

ABOUT ME
文章fumiaki
・1958年生まれ たそがれヤモメ・趣味〜サーフィン(若い頃) 80年卒業後、薬品会社勤務の後83年脱サラ会社起業~現在に至る。傍ら縁あって出会った天風哲学を独学実践。還暦を機に法人解散しフリーランス活動中。 海とトラッドを愛し笑顔で暮らす。
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