(ひとしきり天風さんのことを話したところで)
「でも、何でそんな、哲学の人の
話なんかしてたんですか?」
「そうだよな!らしくないよな!」笑。
「そうっすね!ゴッサンも理沙も、
オレも、らしくないっすね!」笑。
「らしくないことはないですよ!」笑。
「ところで理沙!幾つになった?」笑。
「だめですよ!レディに歳を聞いたら!」笑。
「そうだな!あのこんがり波乗りガールも
いつのまにかレディだもんな!」笑。
「でも理沙は、あの頃も結構レディだったし!」
「そうっすね!理沙あの頃、ローカルの連中から
すごい人気だったっすもんね!」笑。
「そうそう!オレ等、いつもつるんでたから、
理沙の電話番号教えろってうるさくて!」笑。
「え~!そうなんですか?全然知らなかった!」
「そうだよ!まあオレ等、半分保護者みたいな?」爆笑。
「でも、懐かしいですね!麻衣と二人で海に行ったら、
いっつも、フーさんとゴッサンの二人も来てて!」笑。
「そうだよな!どのビーチに行っても、いっつも居たよな!」
「そうそう!理沙も麻衣もどのビーチでも、
一番目立ってたしな!」笑。
「そんなことはないけど!もうアラフォーですよ!」笑。
「おう!理沙もアラフォーになったか?
道理でオレ等も老けたわけだ!ねぇゴッサン!」笑。
「ホント!若かりしオレ等に乾杯しよう!」笑。
「カンパ~イ!カンパ~イ!カンパ~イ!」爆笑。
「ところで、理沙あれからずっとどうしてた?」
「あれから少しして結婚して、ずっと転勤族でした!」
「そっか~!確か理沙、薬品会社の受付だったよな!」
「そうです!結婚した相手が製薬会社のプロパーで!」
「なるほど!プロパーだと転勤族になっちゃうな!」
「ほぼ九州はひと通り住んできました!」笑。
「そっか~!それでいつ地元に帰ってきたの?」
「去年です!娘も高校受験だったから丁度良くて!」
「そっか~!それはいい運命のめぐり合わせだな!」
「はい!でも、麻衣のところが、、、。」シンミリ。
「おう!麻衣はいまどうしてんの?」
「元気にはしてるんですけど、、。」シンミリ。
「どうした?何かあったか?」
「麻衣の娘が、国家試験受けたんだけど、
一点足りなくて不合格になっちゃって、」シンミリ。
「へぇ~そうなんだ!一点ってショックだな!」
「そうなんですよ!それで麻衣も気落ちしちゃって、」
「そうだよな!でも娘の方はどうなん?」
「沙耶ちゃんも、何て運が悪いんだろう!って、
気落ちしちゃって、」
「沙耶ちゃんって言うんだ?でもさ!
運命には二種類あって、
どうにも仕様のない運命は天命で、
その国家試験なんていうのは、
自分の力で打ち開くことが出来る
宿命なんだよ!だからきっと
乗り越えられるよ!」キッパリ。
「そうですよね!麻衣にも伝えよう!」笑顔。
「そうだよ!天命っていうのは、
この両親から産まれたこと、この時代に
産まれたこと、そんな変えることのできない事実。
それ以外のことはほとんどが宿命で、宿命は
自分の力で打ち開いていくことが出来るんだよ!」
「何だかワタシも元気になれたみたいです!」笑顔。
「全部、天風さんの受け売りだけどね!」笑。
「それともうひとつ付け加えると、
悲しいことや腹の立つことそれ自体を
変えることはできないけど、でも
乗り越えることは出来るよって!
それは、自分の心を積極的にして活きるという方に
決定しさえすればいいんだよって!
だから、一点足りなかった現実も、自分の人生を
見つめ直す機会をもらえたんだって!
”失敗も自分の糧”と感じる。それが、
心を積極的にするっていうことなんだよ!」キッパリ。
「何となくわかります!そうですよね!
今度、麻衣連れてきます!今日の話、
直接してあげてください!」笑顔。
「オッケ~!麻衣とも久しぶりだし、
楽しみだな!」笑顔。
つづく。