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古今東西、多くの詩人たちの作品、
〈潮騒の詩集〉
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〈自分の感受性くらい〉
ぱさぱさに乾いていく心を
人のせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもがひよわな志しにすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ
茨木のり子(ペンネーム)
1926年6月12日大阪府大阪市生まれ。
2006年2月17日(79歳没)
詩人、エッセイスト、作家、脚本家。
代表作
「見えない配達夫」「鎮魂歌」
「自分の感受性くらい」「倚りかからず」など。
ヒューマニズムに溢れる詩風で知られる。
そのていねいな暮らしぶりは、死後もなお、
多くの人の憧れの対象となっている。
凛としてありのままに生きた茨木のり子。
その詩を読めば、私たちはもっとシンプルに
まっすぐに生きることができるかもしれない。
〈「別冊太陽」より引用。〉
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