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笑顔だよ
黄昏純情BAR

【黄昏純情BAR一話④】トイレにはそれはそれはキレイな女神様がいるんやで!

 

「何だか盛り上がってるね、、!」

 

(藤崎さんがお手洗いから帰って来た。)

 

 

「トイレすごい綺麗だった〜!ピカピカ!」笑。

 

「まあ、それが本職だからね!」笑。

 

 

「えっ、まだやってるんですか、、?」

 

「やってるよ、!週に二、三回だけど、、。

クリニックとかマンションとかのお掃除が

メインなんだけど、オフィスビルのトイレとかも

 

時にはやってますよ、、!」笑。

 

 

「そうなんだ〜!」

 

「そうそう、特にトイレ掃除は、

こっちの魂(こころ)まで、

 

キレイになってる気がするから入念にね!」笑。

 

 

「そう言えば昔、トイレの神様って流行ったよね!」

 

「あったあった。べっぴんさんになるっていうやつ。」笑。

 

「たしか植村花菜っていう子、、最近見ないけど、!」笑。

 

「でもあの歌聴いてると、何故か涙が出ちゃうんだよね!」笑。

 

「それはまだココロが純粋な証拠なんじゃない、、!」笑。

 

「そうかもね?でも最近はあんな歌なかなか聴かないね!」

 

「って言うか、最近の歌って、テンポが早くって、、!」笑。

 

「わかるわかる!ラップばっかりでついていけないし、!」笑。

 

「何かゆっくり聴かせる曲(バラード)って少ないよね!」

 

「まあ、実際はあるのかもわかんないけど、歌番組ないし!」笑。

 

「そうそう、テレビで見ないだけで、YouTubeでは流行ってるかもね?」笑。

 

 

「モニターに注目!植村花菜見てみよう!」

 

(酒棚の左隅に嵌め込まれているモニターに

 

 

〈トイレの神様〉植村花菜

 

 

小3の頃からなぜだか

 

おばあちゃんと暮らしてた

 

実家の隣だったけど

 

おばあちゃんと暮らしてた

 

毎日お手伝いをして

 

五目並べもした

 

でも、トイレ掃除だけ苦手な私に

 

おばあちゃんがこう言った

 

トイレには

 

それはそれはキレイな女神様がいるんやで

 

だから毎日キレイにしたら

 

女神様みたいにべっぴんさんになれるんやで

 

 

その日から私は

 

トイレをピカピカにし始めた

 

べっぴんさんに絶対なりたくて

 

毎日磨いてた

 

買い物に出かけた時には

 

二人で鴨なんば食べた

 

新喜劇録画し損ねたおばあちゃんを

 

泣いて責めたりもした

 

トイレにはそれはそれはキレイな女神様がいるんやで

 

だから毎日キレイにしたら

 

女神様みたいにべっぴんさんになれるんやで

 

少し大人になった私は

 

おばあちゃんとぶつかった

 

家族ともうまくやれなくて

 

居場所がなくなった

 

休みの日も家に帰らず

 

彼氏と遊んだりした

 

五目並べも鴨なんばも

 

二人の間から消えてった

 

 

どうしてだろう?

 

人は人を傷付け、

 

大切なものをなくしてく

 

いつも味方をしてくれてた

 

おばあちゃん残して

 

ひとりきり

 

家 離れた

 

上京して2年が過ぎて

 

おばあちゃんが入院した

 

痩せて細くなってしまった

 

おばあちゃんに会いに行った

 

「おばあちゃん、ただいまー!」ってわざと

 

昔みたいに言ってみたけど

 

ちょっと話しただけだったのに

 

「もう帰りー。」って

 

病室を出された

 

 

次の日の朝

 

おばあちゃんは静かに眠りについた

 

まるで まるで

 

私が来るのを

 

待っていてくれたように

 

ちゃんと育ててくれたのに

 

恩返しもしてないのに

 

いい孫じゃなかったのに

 

こんな私を

 

待っててくれたんやね

 

 

トイレには

 

それはそれはキレイな女神様がいるんやで

 

おばあちゃんがくれた言葉は

 

今日の私をべっぴんさんにしてくれてるかな

 

トイレには

 

それはそれはキレイな女神様がいるんやで

 

だから毎日キレイにしたら

 

女神様みたいにべっぴんさんになれるんやで

 

気立ての良いお嫁さんになるのが夢だった私は

 

今日もせっせと、

 

トイレをピカピカにする

 

 

おばあちゃん

 

おばあちゃん

 

ありがとう、

 

おばあちゃん

 

ホンマに

 

ありがとう

 

 

<植村花菜のトイレの神様動画を映す

ABOUT ME
大塚文彰
・1958年生まれ ・黄昏のパドラー・趣味サーフィン(若い頃) 80年卒業後、薬品会社勤務の後83年脱サラ会社起業~現在に至る。傍ら縁あって出会った天風哲学を独学実践中!還暦を機に法人解散しフリーランス活動中。 60代一人暮らしを笑顔で暮らす。
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