「中村天風っていう哲学者みたいな、、。」
: 「哲学者?」
(「お疲れ様で~す!」)
(突然の来客で、
2人同時に入り口に目をやった!)
「おう!来たな!」
「はい!来ましたよ~!」
(どこか見覚えのあるような、
長い髪が印象的な
綺麗な女性が明るく答えた。)
「フーさん誰かわかる?」
「いや全然!っていうか、
見覚えのあるような気も、、。」
「うわ~!残念だな~!」笑顔。
〈弾けるような笑顔で、
その綺麗な女性が笑った。)
「確かに、オレも最初は、
わかんなかったし!」笑顔。
(ゴッサンが、からかう
ような笑顔で笑った。)
「ワタシですよ!理沙!」
「理沙って、、、?」
「理沙ですよ!日向で、
よく一緒になってた!」
「マジかッ!?」
「マジですよ!」笑顔。
「いやッ!確かに理沙
のような気はするけど、
顔が白いッ!」
「だよな!オレも最初、
それでわかんなかったし!」笑顔。
(ゴッサンが屈託のない笑顔で笑う。)
「嫌ですよ二人とも!確かにあの頃は、
色黒のこんがり娘だったけど!」笑顔。
「全然違うじゃん!言われてみれば、
雰囲気まんま、理沙ではあるな!」
「正真正銘、理沙ですよ!」笑顔。
「理沙だ!間違いないな!」笑顔。
「理沙、家の方は大丈夫だった?」
「はい!大丈夫です!旦那も
飲み会で出てますから!」笑顔。
「そっか~!いや今日ね、
フーさんが来るかもって言ったら、
ワタシも来ますってね!」笑顔。
(ゴッサンが楽しそうに笑う。)
「いやいや、何年ぶり?
って言うか?何で理沙が?」
「だよな!実は今回、
店を始めるってなって、
昼はbookcafeで、
夜はBARってなるから、
: 昼のお店の留守番を
探さないとってなってね!」
「それでワタシに、今、何してる?って」
「なるほど!ゴッサンでもよく理沙の事
思い出したっすね?」
(ウイスキーストレートと、
炭酸水を交互になめながら聞いた。)
「うん!一応、電話番号だけは、
登録したまんまだったからね!
ハローワーク出すのも面倒だし、
携帯の電話番号録ずっと見てて、
理沙ってあったから、試しに
電話してみたんだけど、丁度、
今、何にもしてないって言うんでね!」
「じゃァ、bookcafeの留守番?」
「そうそう!明後日からね!」笑顔。
「ワタシも何か飲み物下さい!」笑顔。
「ジントニックでいい?」笑顔。
「はいッ!」笑顔。
「それは楽しみが増えたなァ!」笑顔。
「でも、ビックリしただろ!フーさん。」
「はい。色が全然白くって、
めっちゃ綺麗になって、
髪は長いまんまだけど。」
「あの頃は、サーフィンばっかで、
日焼けが抜ける暇もなかったし!」笑。
「そうだよな、いつ行っても居たもんな。」笑。
「それは、お互い様ですよ!」笑。
「はい!ジントニック!」笑顔。
「じゃァ、久しぶりの再会に乾杯!」
(かんぱーい!)笑顔、笑顔、笑顔。
「フーさん、入り口ドアのイラスト」
〈ゴッサンが、ドアに描かれたイラストを
指差して、ニヤリと笑った。)
「あれッ!これもしかして理沙ッ?」
「そうッ!もしかして理沙がモデル!」
「そっか~!でもカッコいいっすよ!
あの頃そのまんまっすね!」笑顔。
「ありがとう!
そんなこと言っても、
何にも出ないですよ!」笑顔。
(ジントニックをひと口飲んで、
理沙が嬉しそうに笑った。)
「ところでフーさん、
中村天風の続きを聞こうか?」
「そうっすね!昔話は、
また今度ゆっくりと!」
「テンプウ?」
「【中村天風】って、
: 明治から昭和の時代を生きた哲人でね!」
「テツジン?」
「鉄人28号の鉄人じゃなくて
【哲学者】の方の哲人。」
「それはわかりますよ!」苦笑。
「結構、難しい話、してたんですね!」
「理沙も聞いたらためになるかもよ!」
「松下幸之助や稲盛和夫、
日本の政財界の指導者達が
こぞって師事した
人生哲学の第一人者で、
今だと、メジャーに行った
大谷翔平なんかも心酔してるんだけど、」
「へぇ~!そうなんだ!」
(ふたりの目が輝いてきた
のを見逃さなかった。)
「そしてっすね!、、。」
つづく